11月5日~6日、広島原爆公園にある広島国際会議場にて開催された「2018国際平和のための世界経済人会議」にて Sport For Smile 代表の梶川が登壇させていただきました。
この会議は、経済界が中心となって企業の平和への貢献について議論するという点において他に類をみない特別なイベントで、オープニングにマーケティングの世界的権威、フィリップ・コトラー教授や「BOP(ピラミッドの底辺)経済理論」の提唱者ススチュアート・L・ハート氏、そして広島県知事が登壇され、基調講演には仏ミッテラン大統領の特別アドバイザーを務められたジャック・アタリ氏も登壇されるなど、豪華で本質的な会議でした。
「平和実現に向けたスポーツの持つ可能性」のセッションでは、弊団体代表の他、モナコにある Peace and Sport というイニシアチブのロレナ・ロドリゲス・アルバレス氏、サッカーの宮本選手(現ガンバ大阪監督)がボスニア・ヘルツェゴビナで立ち上げたサッカープロジェクトを運営する団体の代表を務める樋口昌平氏、400Mハードルの日本記録保持者で現在はアスリートと社会をつなぐ活動をされている為末大氏、そしてSDP(開発と平和のためのスポーツ)研究の第一人者のひとり、広島大学の斎藤一彦教授がパネリストとして登壇し、モデレーターは、元スウェーデンのプロサッカー選手でSDPやスポーツとジェンダー分野の専門家である野口亜弥氏に努めて頂きました。
まず モナコのPeace and Sport、ボスニア・ヘルツェゴビナの Little Bridge、そして為末氏のアスリート・ソサエティのそれぞれの活動について概要説明のプレゼンをしていただいた後、SFS梶川より、SFSの活動や Peace and Sport に出席しての感想と「スポーツ社会変革」分野におけるグローバルの動向について簡単にご説明させていただきました。そして、斎藤教授よりSDP分野の発展の経緯などについても情報提供をいただきました。
その後、フリーディスカッションとなり、樋口氏より具体的にどのような活動をされているのかについてお話いただいた後、為末氏よりアスリートが社会に関わるための方法やアプローチなどについてご提示いただきました。ロドリゲス・アルバレス氏からは、世界で課題となっているプラスチック問題への取り組みなどについてもお話いただき、SFS梶川から、グローバル企業が投資をして実施しているスポーツ関連プロジェクトの事例などについてご紹介させていただきました。
会場からの関心も高く、広島県知事からもご質問をいただくなど、大変貴重な機会となりました。梶川からのクロージングでは、「平和」を紛争の対局としてのみとらえるのではなく、暴力などをなくすというようなことも重要であること、またSDGsの各項目は単独ではなくそれぞれ複雑な因果関係にあることを理解し、自分ごととしてとらえて小さくてもよいからできることから始めることの大切さについて強調しました。また2020年オリンピック大会に向けてのコメントもさせていただきました。
他のセッションでも、気候変動、デジタル化、教育、NPOの役割、アートの可能性など、多岐に渡る視座から平和について議論され、大変有意義な機会となりました。