ロシアW杯連動企画プロジェクト最後のプロセスとして、8月26日(日)六本木のGRIPS(政策研究大学院大学)において、 “Win Off-the-Pitch 2018~スタジアムにたどり着けない人々にサッカーの力で希望と勇気を~”表彰フォーラムが開催されました。
Win Off-the Pitch (WOP) 2018 は、人種差別撤廃への取り組みにおけるFIFAの公式NGOパートナー Fare network より助成を受け、ロシアW杯と連動して実施されたもので、25歳以下の若者から「支援から最も遠いところにいる人々」をサッカーの力で支援するアイデアを募集、社会変革の専門家や元サッカー選手、サッカー界協賛企業などの審査員イレブンによる書類選考と面接を経て、ベスト4を選出し、表彰しました。
最優秀賞を受賞したのは、日本に逃れてきた難民の方々にサッカーをする機会を提供するというアイデアで応募した矢野文彬(やの・ふみあき)さん。難民を支援するNPOやサッカーチームのある大学と連携してのプロジェクトで、最近日本で活躍しているイニエスタ選手などの例も提示しながらプレゼンを披露しました。
最優秀賞には、記念トロフィーが、ベスト4受賞者には、記念の盾が授与され、Sport For Smile からの記念品も審査員からのコメント付きで贈られ、小学3年生でコスプレを着た人種無差別ワールドカップのアイデアを提案し受賞した山本楓士(やまもと・はやて)くんは、ワールドカップを見た感想を聞かれ、「サッカーするのに肌の色とか関係ないと思った」と述べ、普段忘れがちな大切なことを思い出させてくれました。
JFA(公益財団法人日本サッカー協会)のグラスルーツ推進部長 松田薫二氏は、「日本でこのようなフォーラムが開催されることを嬉しく思う。ワールドカップでよい成績を残すこと、勝つことだけだけではなく、サッカーで世界を変える若者を表彰し、サッカーの力を世の中に発信していける活動も大切」と述べ、Jリーグ(公益社団法人日本プロサッカーリーグ)チェアマン村井満氏は、「Jリーグの理念は”日本をスポーツで豊かな国に”すること。スポーツを観る、するだけでなくスポーツで社会課題を解決する、このようなイベントで集まることも重要。是非このような活動を応援して欲しい。」と、サッカーを活用した社会変革のムーブメントに後援した意義について、ご挨拶の中でお伝えいただきました。
また、本プロジェクトに特別協力をいただいたアディダスジャパン株式会社のヴァイスプレジデント、トーマス・セイラー氏には、ベスト4への記念品贈呈のプレゼンターを務めて頂き、「今回表彰されたすべてのアイデアに感銘を受けた。難民を支援するアイデアはとくに素晴らしく、日本でも社会変革のツールとしてサッカーが活用されることは非常に重要。」とのメッセージをいただきました。
国内の先進事例をパネルでは、JIFF(一般社団法人日本障がい者サッカー連盟)とダイバーシティカップの活動について、SFSアライアンスの日本ブラインドサッカー連盟の山本康太氏と虹色ダイバーシティの村木真紀様にそれぞれモデレーターを務めていただき、サッカーの力のさまざまな側面についてご紹介しました。
また、海外からのオンライン登壇では、Sport For Smile 顧問サッカードリームチームが登壇、香川選手も参画する世界トップ選手の社会貢献イニシアチブ「Common Goal」やstreetfootballworld 設立経緯について説明したほか、UEFAのSR(社会的責任)ユニットを率いるパトリック・ガッサー氏、ホームレスワールドカップ共同創立者メル・ヤング氏も登壇、活動紹介とともに応援メッセージを送りました。
また助成元である Fare network より本プロジェクト担当のニール・ヴァン・マイデン氏もオンラインにて登壇、当初希望していた来日登壇がかなわなかったことへのお詫びと、世界中からの300を超える応募のなかからSport For Smileの “Win Off-the-Pitch 2018” が選ばれた理由についてコメントするとともに、受賞者と応募者に対して御礼と励ましのメッセージを送りました。
本プロジェクトの応募企画から表彰フォーラムまで、さまざまな分野の多くの方々にご支援をいただき、本当にありがとうございました!
2010年からSport For Smile の活動を開始し、今年6月に一般社団法人化直後の初イベントを、FIFAの公式NGOパートナーや日本サッカー界の権威団体、リーダーの皆さまにご支援いただき実施できましたことは、大変ありがたく存じます。多くの方から、是非今後も継続して欲しいというご依頼を受け、継続実施について、検討中です。実施が決定しましたら発表させていただきます。